2018年2月18日

車と関係ないけどPS3の修理YLOD

作業レベル★☆☆☆☆


子どもが使っていたPS3が突然電源がはいらなくなってしまった。
電源を押しても「ピピピ」という音がして赤LEDが点滅して電源が入らない。
どうもYLODと言う症状で、内部の基板の半田が熱による伸縮でクラックが入って動かなくなる症状のようです。
修理方法を調べると、メーカーに送ると18000円位でメイン基板を交換で直るらしいけど、HDDをフォーマットする必要があり、過去のデータも消えるらしい。
この金額なら新しいの買うよ!と言う金額なので、ダメ元で修理をしてみようと思います。



まずはHDDが大事なので最初に取り外します。
赤丸部のカバーを外して中央に見える青いネジを外します。



ネジを外すと、HDDの取り外し用のツマミが持てるので、そのツマミを持って右手前に引き出すと取り外しができます。
落とさないように先に片付けておきましょう。



左側面にある封印シールを剥がします。
その中にゴム栓があるので抜きとります。
さらにその中にヘックスネジがありますので、T15のレンチで取り外します。



ネジを外したら化粧カバーを外します。
左にスライドさせることで外せます。



化粧カバーの中にさらにカバーがあるのでそれを外します。
複数の種類のネジが使われているので、ネジを外した時に、その横にテープで貼り付けておくと分からなくならないのでオススメです。



カバーを外すと、本体側とFPCでつながっているので、個々を外します。



FPCコネクタの爪を起こしてからFPCを引き抜きます。



DVDドライブを外します。
赤丸のコネクタを引き抜くことで外せます。



DVDドライブの裏面側にもFPCがあるので、これもFPCコネクタの爪を起こしてから引き抜きます。



今度はアンテナ部を外します。



右側にもFPCがありますが、こちらは差し込んであるだけのタイプのコネクタですので引き抜きます。
左側はアンテナコネクタが刺さっているので、こちらも抜きます。
アンテナコネクタの爪部分は非常に折れやすいので、ケーブルを持って引き抜かず、ボディ全体を爪で引っ掛けて垂直に引き抜くと良いです。



アンテナの先端部分も、ネジ1本での固定ですので外します。



電源を外します。
黄色丸部のコネクタを外すと引き抜けます。
あとはアンテナ部のFPCコネクタを爪を起こして引き抜き、周囲の4箇所のネジを外して取り外します。



アンテナ部のFPCは、その下のメイン基板につながっているので、こちら側も爪を起こして引き抜きます。



金属カバーの右手前側にある金具を固定しているネジ2本を外します。



あとはこの金属カバーの固定ネジを全て外します。
外したネジをテープで貼り付けながら作業をします。



金属カバーを外すとメイン基板が見えてきました。
あと少しです。



この状態で下側のカバーも外せます。
左側のファンがついている部分が、基板を裏返した状態です。
この裏野ファンがついているカバーも外していきます。



裏にある時計用の電池を外します。
(これを外すと時計がクリアされるので、復活した際に時計設定が入ります)



背面のカバー固定の3箇所の爪を起こして外してしまいます。



するとファン側が分離できます。
赤丸がメインのチップを放熱している部分です。
熱伝導グリスが塗ってあるので、アルコールを使って綺麗に掃除します。
ここで気になったのは、硬化型の熱伝導グリスを使っていたのに、分解時に抵抗なくファンが外せたことです。
おそらく硬化したグリスが熱伸縮でクラックが入ってしまっていたのだと思います。
そこで熱がちゃんと逃げなくなり、半田クラックが入ったのかなと思いました。



あとはHDDカバーの横にあるネジを2本外すのみです。
このネジだけでカバーと基板をつないでいるので、ネジを取らずにカバーを外そうとすると破損の危険があるので注意です。



これでメイン基板単体となりました。
ネット上で半田クラックが入って故障する原因になるのは、放熱グリスが塗ってある2箇所のメインのチップと、そのすぐ下にある黒い四角いIC4個という事が載っていました。



裏面を見ると、左側のチップのうらには基板の抜きが有り、BGAのパッドも周囲のみになるので、故障の原因になりそうなのは逆側のみかと思います。
(上のチップが見える側から見ると、左側が故障の原因と思います)
その下の4個の四角いICについては、データシート見るとBGAではなく、周囲に4ピンだけの半田付け部品となるので、これは外側からの目視で半田クラックが分かる部品でした。
今回は問題なさそうでしたので、BGA部のみを処理します。



まずは放熱グリスを綺麗にします。



今度は周囲をマスキングテープで保護します。
温風でその他のチップ部品がズレたり外れたりする可能性があるので、必ずやったほうが良いです。
左だけで良いと思いますが、一応右側も作業しておこうと思います。



裏面も同様です。
まぜ裏もやるかというと、通常このようなリワーク作業を行う場合、プリヒートを行う必要があります。
(実際ネット上でやっている人は居ませんでしたが・・)



自宅なのでヒーターが無いため、ストーブの上でプリヒートします。
このように基板自体をハンダが溶けない程度の高温にしておき、ドライヤー熱を当てるのを最小限にしておくことで局所的に温度を上げすぎないようにします。



ストーブの上にガスコンロの魚焼きグリルの鉄板を敷き、その上に基板を載せました。
このグリル上の温度が120度程度になっていました。
基板の上部も100度程度まで温度が上がるまで10分程度放置しておきました。



温度が上がったら、フラックスをBGA周囲から垂れ流し全体を濡らし、その後ドライヤーで半田を溶かしていきます。(このドライヤーは250度位の設定にしてます)
このメインチップのBGAは、モールドタイプではなく、基板にカバーを付けただけのような形状でしたので、真上からドライヤーを当てても真下の半田まで熱が伝わりにくいので、外周の隙間から温風を当てました。
マスキングテープが多少焦げるくらい温風を4隅から当て、ハンダを溶かして行きます。
2個のBGA共同じ作業を行います。
フラックスは温風で乾いてしまうので、片側作業終了してから次のを塗るようにします。



こんな感じになるまで温風を当てて、終了後は急激な冷却は避けたいので自然冷却です。
10分程度放置して冷まします。
あとは逆手順で組み付けて終了です。

放熱グリスは、上記に書いたように硬化タイプですとグリス自体がクラック入る危険があるので、硬化しないタイプを使用しました。
25g入りのを買って、各5g程度づつ使いました。
(2g入りも売っていましたが、確実に足りないと思ったので多いのを買いました)



あともう1つ面白いネタが有ったので紹介です。
放熱グリスを塗った部分の裏面ですが、2箇所共このような板金で押し付けテンションを加えている部分があります。
ここに1円玉を挟んでしまい、この厚み分テンションを強くするというものです。
記事では2円並べていましたが、それは意味が無いと思うので1円だけ挟んで固定してみました。
押付力が強くなり、よりヒートシンクに密着するという考えですが、このテンション強くした分、基板へのストレスが強くなるのでパターンの断線などの原因にもなりそうです。
なのでデメリットも考えないといけないような対策ですね。



あとはこの部品達を戻して完了です。
作業後に電源を入れ、問題なくゲームが出来るようになりました。

次壊れたらPS4に買い替えですね。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送